筆者は美術とか、そういった方面は大変苦手である。見てもよく分からないし、描いたらもっと酷い。幼稚園児が描く絵をイメージしてもらうのが一番近しいけれど、幼稚園児のそれには未来や可能性があるのに、筆者のものには全くそれらが感じられないところだけが違う。まぁ、美術で身を立てようなどとは思ったことが無いのでそれはそれで構わないのだけれど、仕事の打ち合わせで図やポンチ絵で表現したい時にはちょっと困る。何しろ、線がまっすぐ描けないのだから...

 

で、以前何かで読んだことがあるのだけれど、美術的センスの無い筆者のような凡人(と書いたら凡人に失礼だが)が色のセンスを身に着けるための良い習慣がある、とのこと。それは、

 

「今日の色」を決めて、その色を街中で探すこと

 

通勤・通学路で構わない。普段見慣れているいつもの場所、いつもの通りであっても、「今日の色」を意識すると、見慣れている風景に新しい発見がある。また同時に、同じ「赤」であっても、「赤」には色々な「赤」あって、その場所その場所には其々の赤がある。そうやって、色々な「赤」を見つける訓練がセンスの向上に役立つのだとか。

 

で、やってみた。今日の色は「赤」。ところが...

 

これが全く見つけられないのである。無論、筆者のセンスが鈍いことは承知しているのだが、それを於いても、見事なほどに「赤」が少ない。すれ違う人の服、駅貼りの広告、電車の中吊り...今日のテーマは「赤」なのに、「青」や「緑」ばっかり目に入る。赤いのは、消火器と注意表記、あとは都営浅草線のマークくらい?

 

「青」にしておけば良かった、などと思っているうちにふと思った。もしかしてコロナの影響?

 

いやいや、何でもかんでもコロナのせいにするのは良くないとは思うのだけれど、消費者が疲れている時に彩度の高い赤を提示するのは、攻撃的に過ぎるということなのだろうか。そこでちょっと想像してみたのだけれど、ココにある青や緑をみんな赤に置き換えたらどうなるか?うん、やっぱり御免蒙りたい。ドギツイのは某都知事や某府知事の主張だけで結構。広告や宣伝の類は、今は少しシックなくらいが丁度いい、と朝から思ってしまった(そう考えると、某総理の覇気の無さそうな言動も癒しに見えてきたから怖い)。

 

結局筆者の色センスは残念ながら鍛えられなかったのではあるが、早く広告にビビッドレッドが復活して欲しい、と思わずにはいられなかった朝の風景であった。