男女平等

ちょっとしたご縁があってスペインとお仕事をする可能性が出てきた。のでまずはスペイン語を覚えねば、とNHKスペイン語講座番組を視聴してみた。

 

なるほど、日本人は Japonesというらしいが、これは男性の場合。女性の日本人の場合には Japonesa と、最後に "a" がつくらしい。そういえばイタリア語でも、 "o" で終わると男性で "a" で終わると女性だ、というようなことを聞いたことがあった。Mario と Maria みたいに...

 

と、それで思ったのだけれど、「男女平等」とかって、これらの国ではどういう扱いになっているのだろう。

 

普通に日本で生活していると、よく聞くのは「男女は平等でなければいけない。欧米では男女平等が当たり前だが、日本は欧米に比べて遅れている」との言。まぁ、きっとそうなのだろうけれど、この場合の「欧米」って??

 

例えば、英語の Chairman という言葉。「Chairmanは女性にも開かれたポジションであるべきであり、Chairpersonとするべきだ」と聞いて久しい。最近では「"he" と "she" を区別することもケシカランので統一すべきだ」との言さえ聞く。尤も、統一した先は未だ統一されていないらしく、「三人称単数としての "it"を使うべき」という論と「"it"では物や犬猫と同じ扱いになってしまうので "they" を使うべき」という論(Chairが複数いては困ると思うけど?)を聞いたことがある(あぁ、筆者は犬を家族だと思っているので、彼女=うちの娘は女の子なのです=を "it"と表現したいとは、そもそも思ったことがないけど...)。

 

で、こういう議論ができるのは、そもそも名詞に「男性名詞」とか「女性名詞」とかの概念が無い「英語」だからできるのではないだろうか、とスペイン語講座を視聴しながら思った次第。

 

スペイン語ではどうやら、名刺には男性名詞と女性名詞があって、しかも名詞の性に従って冠詞や形容詞も語尾変化するらしい。しかも、筆者が学生時代に習っていたドイツ語には、他に中性名詞というのもあったと記憶するのだが、どうやらスペイン語には中性というものは存在しないらしい。う~む。

 

"Chairperson" をスペイン語で何というかは未だ習っていないのだけれど、これを表現する時、スペイン語ではどうするのだろうか。語尾に "a" をつける作戦は ”Chairman" と ”Chairwoman" を作っているの等しくて(これは英語でも "Chairperson" を使わない前に女性議長を指す言葉として使っていたことがある模様)、これでは「真の(?)」男女平等にはなっていないと考えられる。

 

こんな辺りも、いずれは触れてくれると嬉しいのだけれど < NHK。尤も、何でもかんでも「男女平等」と唱えて外形の変更を無理やり迫られるよりは、「レディーファーストは紳士の嗜み」と諭される方が、筆者の好みにはあっているのではある。

 

そう言えばディズニーランドでいつも感じていた疑問。ショーが始まる前のアナウンスはいつも " Ladies and Gentlemen, Boys'n Girrls" って始まるように記憶しているのだけれど...これって、大人になると「レディーファースト」なんだけれども、子供のうちは「男児優先」なのかしらん?まぁ、"Girls'n Boys" って何となく語呂が悪くは聞こえるけれども、これはきっと慣れの問題。そうそう "Dear Sir or Madam" ってのも、何故 "Dear Madam or Sir" ではないのだろうか。おっと今時は、"Dear Whom it may concern"(ご担当者様)か...?

 

これからスペイン語を学ぼうと思っている身からすれば、名詞の性による変化なんて覚えるのは面倒なので、いっそみんな原型だけを使って中性化してくれると嬉しいのだけれど、きっと音韻やリズムも含めて文化なのだと思うし、言葉は変わっていくものだとはしても、それは話者が時間をかけて自然のうちにゆっくりと変わっていくものであって欲しいと思う。だからまぁ、当面は頑張って覚えることにしよう。昔、デア デス デム デンって覚えた様に...(あぁ、つまりはすぐ忘れるってことだと気付いた次第)