パンデミック

今朝ふと思った。

 

過去のパンデミックで多くの方が命を失った時、ウィルスが直接的に多くの命を奪ったことについて否定をするつもりは毛頭無いのだが、同時に、経済活動の停滞が引き金を引いた側面も大きかったのであろう、と。

 

その中には、飢えが死因になったケースもあろうし、栄養状態の悪化が抵抗力を失わせ、本来であれば死ぬべきでなかった人まで命を落としたケースも多かろう。

 

つまりは「ウィルスは強者と弱者を差別はしない」けれども、「弱者は強者に比してウィルスへの耐性が低い」という側面は否定できず、過去のパンデミックにあっては、弱者は切り捨てられてきた。

 

どころか、多数の弱者を切り捨てることが結果として、社会免疫の獲得という、パンデミックに対する最大の防御壁を構築した側面も否定できない。

 

その意味において、人権意識の浸透した21世紀の今日におけるパンデミックは、人類が初めて遭遇する事態かもしれない。すなわち、弱者救済と社会全体の耐性強化の両立という課題を解決することが、今日の民主主義国家には求められているのである。

 

やはり、社会免疫は将来世代にも資する共通の資産であるとの理解に基づくのが筋であろうか。