解散総選挙

臨時国会冒頭、安倍総理

衆議院を解散します!」

とか、そんなサプライズがあれば面白いのに...

 

これが中小企業なら、そんな直前のちゃぶ台返しも良くあることで、先日も某M&A仲介会社の担当者から、こんな話を聞いた。

 

とある中小企業同士のM&A案件でのこと。最終合意まで至って売買当日、買主側銀行支店の応接室で、買主・売主双方の経営者から弁護士、仲介業者、銀行担当者まで勢揃いの席上、突然、売主(旧経営陣)の社長夫人が乗り込んできて一言「私はあの土地を他人に売るなんて、絶対にゆるしません!」。

 

奥様が、というのはともかく、長くトップの座にいると、仮に禅譲したものであってもその座が人の手に渡るというのは面白くないもの。昨日まで自分の方を向いていた周囲の全ての存在が、ある時を境に自分から離れて、自分では無い場所に集まり始める。しかも、それは自分の旧部下であったりする訳で、内心「あいつは大した奴ではない」とか「あいつを育ててやってのは俺だ」とか思ってたりする。無論、そう思うのは自由だしむしろ当然であって、内心で思っているに留まっていればいいのだけれど、そのうち「あいつに寝首をかかれた」とか「あいつに乗っ取られた」とか思い始めるのが人の常。というか、ATフィールド!?

 

そう言えば自民党新総裁が選出された後の安倍総裁のスピーチ。「これからこの国をみなさんで...」とか何とか言いながらモゴモゴ言い淀み。あれ、本当だったら「これからみなさんの力を結集して、『美しい国 日本』を創っていこうではありませんか!」とか何とか言いたいところなのだろうけれど、言ってる途中でふと気づいた。「あぁ、これからその中心にいるのは俺ではなくて、こいつなんだな...」それでちょっとニュアンスが変わって「菅総裁と一緒に創り上げていこう」みたいな感じに締めるのだけれど、そういうときに感じる一抹の寂寥感のようなものが鬱屈すると、「最後は俺の手で始末を」みたいな暴走が始まって、あら大変。

 

いや、あまりに「菅総理」が確定情報として飛び交うものだから、たまにはそういうサプライズがあっても面白いのに、と思う訳です。だって、評論家の人の言ってることってきっと、ある予測できる範囲の中である程度の確からしさを元にしているのだろうけれど、人の心って、予測できないこと一杯あるじゃないですか。政治家をマシンか何かのような存在として推論するのは結果的には正しいことが多いのだろうけれど、つい最近のその人達の予測では、「安倍総理続投」が大勢だったのです(気球であったかもしれないけれど)。

 

まぁ、そんな度胸があれば「嫌になっちゃった」ってな理由でこのタイミングで辞職はしないのでしょうねぇ。